PEOPLE & WORKS
PEOPLE
& WORKS
- 宮-入社6年目-
- カルピスウォーター®・カルピスソーダ®
2021夏季限定パッケージ(アサヒ飲料) -
- アートディレクター/中尾祐輝・神永恵実
- デザイナー/宮香那
「片想い」をテーマに、人を想うピュアで甘ずっぱい気持ちや前向きな気持ちを感じさせるカルピス®のパッケージデザイン。”飲み終えると絵が完成する”という仕掛けが話題になった裏側で、どのような制作の過程があったのか?デザインを担当した宮さんにあれこれ聞いてみました!
好評につき続編
絵が透けるアイデアに驚きました!この仕事はどのように依頼されたのですか?
2020年に透ける仕掛けのパッケージの評判が良かったので、アサヒ飲料さんから2021年も同じような企画をやりたいという話が来ました。オーダーをもとに、どうやって絵作りをしていくか代理店のアートディレクター(以下「AD」)さんと一緒に考えましたね。
2020年も同様のパッケージを制作されたんですよね?
そうですね。そのときは先輩と2人でやっていましたが、先輩がチームを抜けたのをきっかけに引き継いで、2021年は私が担当することになりました。2020年のパッケージは、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSでファイナリストにもなりました。
作るときに大変だったこと
作るときに苦労した部分はありますか?
飲み終わったらパッケージの向こう側のイラストが透けて見えるデザインなので、表面のコピーと裏面のイラストが被らないように細かく調整しました。あとは、印刷で発生する色々な規定を考慮して作業するのが大変でした。具体例をあげると、パッケージをボトルに巻く際にデザインが熱で歪んでしまう箇所があるので、そこを避けるように二次元コードなどをレイアウトしなきゃいけないのが難点でした。
色校正はどうやって確認しましたか?ペットボトルにパッケージが貼られた状態で確認はできるのでしょうか?
色校正のときは印刷会社に行って、ボトルに巻いてもらったものを確認しました。イラストの色合いはもちろん、飲む前は透ける仕掛けがわからないよう、ボトルの中の液色とコピーの色が同化しているか確認しました。
色校正の前はどうやって検証しましたか?
ひたすらボトルに出力した紙を筒状に巻いて検証しました。会社では透明シートに印刷して検証ができなかったので、巻いたものを照明に近づけて、透けたときの見え方を確認しました。イラストやコピーの位置が透けて重なったときに噛み合うよう、調整→出力→巻き直し→ADさんに確認してもらう工程を繰り返しました。2021年はカルピスウォーター®だけじゃなくて、カルピスソーダ®も透けるデザインになったので、検証作業が2倍になったのを覚えてます。
なんて地道な作業・・・!いろんなことを計算しながら作ってたんですね。
一番大変だったのは、入れなきゃいけない要素が多く、印刷可能箇所も限られているので、レイアウトにうまくはまらないという問題がありました。ちゃんと収まるよう、デザイン要素を調整するのに試行錯誤しました。
SNSでも話題に!
2020年のパッケージは、SNSで話題になってましたよね?
話題になりました。ツイッター経由でバズってましたね!
リツイートで回ってきたので見ました!バズった話を聞いたときの感想は?
想像以上に好評だな!と嬉しく思いました。調整が大変だったからバズってよかった。ADさんから「バズりました〜!」ってメールが来ました(笑)
(笑)
1人で仕事?チームで仕事?
普段の仕事は1人で進めることが多いですか?
今回のカルピス®のお仕事は普段と違って細かい調整が多く、共有や分担作業が難しかったので、結果的に1人でやりました。私主体の仕事なら内容にもよりますが、締め切りが迫ってたり量が多いものは1人だと厳しいので、合成などを後輩に手伝ってもらいます。自分の仕事が動いていないときは、上司の仕事を分担してもらって作業しますね。
カルピス®でADさんとのやりとりを1人で任されたときはどう思いましたか?
超緊張しました!(笑)「もう、どうしよう」って感じでしたね。先輩から仕事を引き継ぐときに、一緒に進めていたADさんのご都合で、他の方と入れ替わることになり、新しいADさんと今までの情報を一から共有するのが大変でした。「ミスしたらどうしよう」っていう不安が常にありました。
技術的なことからADさんとのやりとりも含めて、どのくらいのタイミングで仕事に慣れてきたなと感じましたか?
本格的に自分に仕事を任せてもらえるようになってからですかね。割と色んな先輩の下に付いて、チームを回ってきたというのもあります。先輩によって仕事の進め方が違うので、自分的にいいな、合うなと思うやり方をどんどん取り入れるようにしていました。そういうインプットができたのは、色んなチームを回ったメリットだと思っています。
楽しいとき、難しいとき
お仕事で楽しい、難しいと感じたことを教えてください!
携わった案件が世に出て、「やってよかった」と達成感を味わえた瞬間が楽しいです!逆に、提案しても提案してもクライアントに却下されて、ADさんと「この案はいける!」と話してたものさえも通らなかったときに、難しいなと感じました。
そういうときのメンタルの切り替え方法ってありますか?私はモチベがどんどん削がれていくんですけど・・・。
在宅作業のときは音楽を聴きながらリラックスして、気持ちをリセットしてました!却下されすぎたのが逆に面白く感じて、メンタルを持ち直すこともありましたね(笑)
デザインの実力がついてきたら、案が通りやすくなりますか?
案件にもよるんじゃないでしょうか…!もちろん、デザインの技術が高いほうが提案する際に良い反応をいただけると思いますが、却下されてしまうこともあるので塩梅が難しい気がします。でも実力があるに越したことはないと思います。もっと実力がつくように勉強します!
ADさんはビジュアルの企画を考えますが、デザイナーとして宮さんも企画から考える機会はありますか?
基本的に企画から一緒にやることは少ないと感じます。ただ、そういう機会があって自分の案が通ったときはすごい嬉しかったですね。しかも意外なものが通って、それが通るんだ!?みたいな(笑)
今までで一番楽しかった仕事
今までやった仕事で何が一番楽しかったですか?
悩みますが…このカルピス®ですかね。大変でしたけど、目に見える形で世に出るのがすごくいいなって実感しました。自分がデザインしたものをお店で手に取ったときは嬉しかったです!
作業のお話だけ聞いていると大変そうなイメージが強いですが、やりがいがあるのは良いですね!
雑誌とコラボしてオリジナルの文房具を作る案件もやりがいがあって印象深かったです。先輩がADを担当したお仕事で、イラストは外部に発注せず、絵が上手い後輩のデザイナーに描いてもらったりと、アドブレーンでやれることが多かったので楽しかったです。
(実物を見ながら)かわいいです!これはできあがりが嬉しいですね。
個人的にも買っちゃいました(笑)
カルピス®の仕事は、自分がやりたいと思ってできたものですか?
そういう気持ちもあったけど偶然ですね。興味があることは周囲に積極的に言うことが大事なのかなと思いました。私の周りでもアピールしてる人は、やりたかった仕事をしているイメージがあるので、先輩や上司に言っておくと仕事が回ってくるかもしれないです。
「こういう仕事がしたいです!」ってどんどんアピールしていく感じですかね?
そうですね。たとえば、イラストを描くのが好きな人がポートフォリオサイトに自分の絵をあげたりしてアピールしていたら、仕事が来るみたいなイメージがありますね。
これからやってみたい仕事はありますか?
広告も面白いですが、パッケージや文房具のデザインも面白くてやりがいがあったので、そういう仕事があればぜひやっていきたいです!
こんな後輩と働きたい!
最後に、どんな後輩と一緒に働きたいですか?
私自身まだまだ勉強不足なところがあるので、一緒にアイデアをどんどん考えて出してくれる子だと嬉しいです。積極的に意見を出してくれる子だと働きやすいですね!